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姿を消した大工道具

契約書-001 こんにちは、

泉バイパス店の設計・コーディネーター三浦です。

 

去年の11月に4才の息子とおじいちゃんと

岩出山で開かれている大崎バルーンフェスティバルに行きました。

しかし、時折雨の混ざる冷たい強風と淀んだ曇り空の影響で

その日はバルーンが飛びませんでした。

しょうがなく付近を彷徨い、

せっかくここまで来たのだからと近くの「感覚ミュージアム」へ

 

感覚ミュージアムロゴ

 

感覚ミュージアムは視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚といった、

人間の「互換」をテーマとしたミュージアムだそうです。

 

常設展示の中に「3Dスカルプチャー」という、

光ファイバーが内臓されたピンが本体内部のLEDで押し出された時だけ点灯し、

光の点で顔や手がちったい的に浮かび上がる体感型のオブジェがありました。

 

ライト3Dスカルプチャー

 

これは昔見たことがある大工道具に似ています。

その大工道具は、名前が解らないのでインターネットで

画像を探すことは出来ませんでしたが、

同じ原理で凹凸を作り出す為の道具です。

両手に乗るくらいの大きさで、金属製で、もちろんLEDは仕込まれていません。

 

道具

 

さて問題です、何をする時に使う道具でしょうか?

ヒントは感覚ミュージアムの展示品の名前「3Dスカルプチャー」=立体彫刻

 

 

正解は・・・

玉石基礎に柱などをひかり付ける(凹凸を写し取る)ための道具です!

昔は今のようにコンクリートで基礎を作っていたわけではなく、

漬物石をもっと大きくしたような石の上に柱を乗せて、

足固めという部材を指し物の技術で組合せ水平構面を作っていたので、

石の凹凸を柱の断面に正確に写し取る必要があったのです。

 

今は使われなくなった大工さんの道具や

古民家や社寺建築を見ると

昔の大工さんは偉大だと感じます。

自然に逆らわずに木や土を建築に生かす技術や

日本建築の美の追求。

そういった昔の大工さんの仕事に対する意識の高さを

私たちは受け継いでいかなければならないと思ったのでした。