或る不動産物件の物語
こんにちは、泉バイパス店の三浦です。
実は最近ご縁があり中古戸建物件の購入を決めたのですが、
そこにクスッと笑えるストーリーが見えたのでお話したいと思います。
築23年大手ハウスメーカー(以降〇〇社)で建てられたその家は、
23年目に施主であった方から〇〇社の中古物件販売部門に売り戻され、
それをまた別の不動産会社が買取り、売主となっていた物件でした。
中古物件の契約時にその家に関する資料を一式渡されたので
資料を見ると、建築主は世田谷区に住んでいた方で売却後はまた東京に戻った様です。
そこで、「だから窓に雨戸がついているのか~」と納得。
宮城県ではあまり雨戸をつける習慣はありませんからね。
そして雨戸を付け忘れないように図面には設計者の注意書き「雨戸!」
そして完了検査の検査済証がない。
当時は自己資金で家を建てるの場合、
お金のかかる完了検査は必ずしもやらなくても良かったのです。
そして23年の月日が経ち
〇〇社の手にその家が売り戻された際に
仙台市の指示で外部給排水工事をしている資料がありました。
「なぜ23年も経過している段階で仙台市からの指示が?」
売主に聞いてもわかりません。
当時あったはずのカーポートも売主に渡った段階では無かったそうです。
「私たちが買った時にはカーポート無くなってたんですよね~」と不思議そうに売主。
あとで想像できたことですが、
〇〇社は当時お施主様が自己資金で家を建て
完了検査を受けないことが分かっていたので
確信犯的に少しだけ法律違反していたのです。
敷地と道路に高低差があるのですが、
コンクリートブロック塀を土止めにしていたのです。
そしてどこかの段階でカーポートが設置されました。
思いもよらず、その家を買い戻し販売することなった〇〇社は
中古物件を買う人が住宅ローンを組む場合、
銀行に「検査済証」の提出を求められることに考えが及び、
あわてて法律に準ずる是正工事をし
仙台市に申請したのでしょう。
法律違反は無かったことにしたかったみたいですが
誰がつけたのかもわからないカーポートまで外さなければならなくなってしまいました。
(このエリアではカーポートは境界線から1m以上離してたてなければいけません)
〇〇社の当時の設計者さんは調べてみると独立し建築設計事務所を構えているようです。
いつか、その設計者さんと話してみたいものです。
「ここを頑張って設計したんでしょう?」
「ここが気に入りました!」
「どういう要望がありこの間取りにしたんですか?」などなど
本当の答えはわかりませんが
家を通して設計者と言葉のない対話をしてみるのでした・・・